コラーゲンの鉄筋コンクリート
骨の成分の中心はカルシウムですが、有機成分の中では大半がコラーゲンです。内訳は、カルシウム関連が50%、コラーゲンが40%、水分8%、その他2%です。骨ができる過程では、骨芽細胞がカルシウムを取り込むと同時に、積極的にコラーゲン繊維も取り込んでいきます。反対に、他の組織でカルシウムが不足していれば、コラーゲンが関わって骨のカルシウムを血液中に出して補います。よく出てくる例えですが、鉄筋コンクリートの建物で考えると分かりやすいと思います。コラーゲン繊維が鉄筋の枠組みや鉄骨の役割を、中に通るチューブが血管、流し込まれるコンクリートがカルシウムです。人の骨はカルシウムやコラーゲンを出したり入れたり、元のかたちに戻したりしますが、鉄筋コンクリートの場合はそうはいきません。
コラーゲンの格子構造
他の成分と違ってコラーゲンは、硬くて溶けない部分の代表となっています。しかし、硬い牛筋や魚の骨も長く煮ると軟らかくなります。無機イオンのカルシウムとリン酸から骨はできていますが、熱によってリン酸カルシウムが軟らかくなるというのは少し疑問です。では、どうして骨は軟らかくなるのでしょう。それは、リン酸カルシウム結晶がコラーゲン線維によって強く結びつけられているからです。コラーゲンは、多数の結晶を強く結びつけておくような格子構造をつくっています。そのため、熱を加えることによってコラーゲン線維でできた格子構造がこわれてしまい、リン酸カルシウムは結晶状態を保持できなくなって軟らかくなります。